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2008/09/12

最近見た映画&DVD

(1)『闇の子供たち
結末は意外だった。某MLでこの映画のことを知り、最終日の昼に職場を抜けて、仕事をサボってスガイに観に行った。江口洋介よかった。
自分の欲を追求しそれを満たそうとすることは、私たちの社会では肯定され、ときに賞賛される。法を犯さない限りという留保はあるけれど、その境界はけっこうあいまいでうやむやである。カネや力があれば、自由の領域はスムースに拡大する。そうして得たささやかな自由が、小さな人間にどれほど暴力的なのか、本人は自覚することはない。(自覚するとラストの主人公のようになるので、自覚させないような心地よいシステムが構築される。)おカネを支払えば両者ともhappyになる。そんな資本主義の嘘が、わかりやすく描かれている。
私たちが他人任せでいるかぎり、すぐに日本の子供たちも同じような状況になるのだと思う。すでになっているのかもしれない。

(2)『SICKO
マイケル・ムーア。先日、この映画について尋ねられたので、見ておきたいと思った。
日本では国民皆保険が一応の建前になっていて、勤め人は組合健保、政管健保、共済などに加入、勤め人以外の農家、自営業者、パート、フリーター、無職者らは国民健康保険に加入する。保険加入者は、所得に応じて、毎月保険料を支払わなければならないが、病気になれば、実際にかかる医療費の3割の自己負担で、医療を受けることができる。貧困者は医療扶助の対象となる。
アメリカでは、公的医療保険の対象は、高齢者(medicare)と極貧層(medicaid)だけである。あとの人は自分の判断で民間の医療保険に加入するか、自己責任で保険に加入しないかとなる。無保険の人が深刻な病気になったりひどい怪我をすれば、悲惨な事態になるのは容易に想像できる。人生の終わりである。
しかし、この映画が暴露・告発しているのは、民間の医療保険会社のえげつなさである。高い保険に加入して安心を購入したつもりだった人が、いざ病気になると保険が下りずに惨めな思いをする様子が描かれる。これが民間活力である。こうして保険会社の利益は上がる。株価が上がる。リーマン・ブラザーズもAIGもウハウハに儲かる。日本ももっともっとアメリカを見習うべきであろう。

(3)『LESSON!』(クリック注意)
複雑な家庭事情を抱え、ドロップアウトしていたアメリカの高校生たちが、社交ダンスを通じて、大人に心を開き、仲間と友情をはぐくみ、人間的に成長していく物語。『Sicko』のあとに4時半までかかって見たが、途中で眠くなることもなく、見終えたあとはハッピーな気分に浸った。

(4)『Always 続・三丁目の夕日
ロードショー中に観に行きたかったけど行けなかった。前作の雰囲気そのままの楽しい映画だった。前作ほどの衝撃はない分、安心して見られた。とはいえ少し引っかかりも。「あの時代は貧しかったが、未来への希望に溢れていた。」そんなポジティブなメッセージを素直に受け止める気分になれないのは、最近読んでいる本の影響。
「こういう夢を失ったというような現象が非常に強く現れはじめたのは、昭和30年頃からであります。戦前は地方を歩いておりますと、所自慢をする人が沢山おったものです。私の郷里はこういうところが優れているとか、そういう自慢話を絶えず聞くことができたのです。自慢話ができるということは、それに相応するだけの何かをしていたということです。ところが今はどこを歩いても、自慢話を聞かされることはなく、どうしたらいいのかというような泣き言ばかりを聞かされます。(中略)それは何が原因かというと、お互いがお互いの頭の中で考えている一つの夢というものが、逐次壊されてゆきつつあるということであります。それは、都会から来る新しい波がそうさせている」(宮本常一「社会開発の諸問題」(『著作集2日本の中央と地方』に所収)、1965年より)
無毒なストーリーを眺めながら、当時の日本を詳細に描いたものをもっと読まないと、と思った。同じことが異なるスケールで、ただ繰り返されているだけかもしれない。

(5)「自虐の詩
ちゃぶ台返し。

(6)「ゲド戦記
暗かった。

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コメント

ご無沙汰です。
「闇の子供たち」、観たかったのだけれど、
結局行けずじまい。
うーん、やっぱり仕事中抜けしてでも観れば良かった!
今観たいのは「イントゥ・ザ・ワイルド」。

投稿: ぴょん | 2008/09/30 22:53

ぴょんさま
コメントありがとうございます。いろいろ物議を醸しているようですが、観た人それぞれの受け止め方で受け止めるのがよろしいのではないかと思います。

「イントゥザワイルド」!観たら、自分も放浪したくなりそう。スケジュールに縛られることのない旅。自然の美しさを飽きるまで実感する旅。なんのために生きるのか、そのシンプルな答えを思い出す旅。ときどき心の洗濯は必要ですね。

次回の映画強化週間は正月の予定。

投稿: nn | 2008/10/01 19:32

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