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2010/07/03

ぱてどかんぱーにゅ

前に記事を書いてから半年が経過した。街場に出るのは夜間に仕事がある日にほぼ限られ、週に0.5~1回と低調。お邪魔するお店もほぼ固定で、「サリュ」、「おたこさん」、たまに「ブラン」といった定番ラインナップを回るぐらいである。

そんな幸福だが単調なススキノ生活を送っていた私の心を鷲掴みにしてくれたのが、5月21日にオープンした「室蘭焼き鳥かんぱーにゅ」だ。昨年末に初めて訪ねた狸小路5丁目の「ビストロ・ドゥジエム・カンパーニュ(以下B2C)」の新店である。B2Cは日本向けのアレンジ(媚び)を感じさせない、フランスにある食堂そのまんまの料理や佇まいが魅力だが、もう一つ魅力を感じたのがサービスで、グラスワインを求める私に、次から次へとボトルを持ってきては開けてくれるキップのよさ、フランスを身体で理解していることから来る自信と確信に満ちた語りっぷりが気持ちよく、また新鮮に感じた。

「かんぱーにゅ」はそのときにサービスしてくれた男性、五十嵐光さんが開いたお店だ。「焼き鳥」と「ワイン」という組み合わせは異色ではあるが、これ自体は全く新しいジャンルというわけではない。札幌には私も大好きな「しろ」という名店もある。こちらは「しろ」よりずっとカジュアルだが、いわゆる「焼き鳥屋」でワインが飲めるというのとも違い、これまでのどこにもない独特の雰囲気がある。

メニューがまた潔い。焼き鳥とシャルキュトリー(パテやサラミなどの肉加工品)を二大看板に、憎々しいほど肉々しい(←言いたかっただけ)。この点でも非常に尖っている。なにせマーケットを支配しているのは、肉食を称しつつも、旬野菜をたっぷりと使ったフレンチやイタリアンを好む女子達である。そっちに擦り寄りたくなるのが人情であろう。
とはいえ「尖っている」というのは、「偏狭」とは似て非なるものである。普通の人にはまだ見えていない「よいもの/コト」がよく見えているからこそ、一見偏っているかのようなことを、楽しそうにやってのけてしまう。変な敷居も作らない。ずれているのは横ではなく前なのだ。

そんなわけで、オープンしてから4回ばかり訪問したが、毎回頼んでしまうのが「パテドカンパーニュ」。ビストロっぽいお店に行けば、どこにでもある定番中の定番だが、こちらのはほんとめちゃめちゃ美味しくて、これ目的に通ってしまうほどなのだ。
そしてワイン。行くたびに違うボトルをあれこれ出してくれて、グラスで飲ませてくれる。ブルゴーニュやボルドーも開いているが、こちらで飲みたくなるのはやはり、店主が思い入れたっぷりに語ってくれる南フランスの赤だ。フランスではそればっかり飲んでたが、日本ではあまり出てこない気がする質の良い南仏。ウマウマな赤に檄旨パテを頬張って手頃。この結合こそ「私の求めていたもの!」と叫びたくなる。サリュでイタリアの白を飲んで、かんぱーにゅで南仏の赤というパターンが、しばらく続きそうな2010年夏。

興味を持たれた方は、こちらこちらこちらこちらこちらもご参照下さい。


<<追記>>
相変わらず「かんぱーにゅ」にはまっている。最初のころはシェフとさしでフレンチや南仏ワインの話を聞くのが楽しみだったが、最近は私などよりはるかに足繁く通っている常連さんたちが、だいたい手前のカウンターに陣取っていて、自然と顔馴染みになってきた。これはこれで楽しい。料理も最近は、「パテドカンパーニュ」以外のものを食べることが多いが、どの皿にも感動がある。

「自家製サラミ」・・・太くて旨みたっぷり。
「塩豚みたいなの」・・・試作品?を一切れもらったのが絶妙な塩梅。メニューでは見たことがない。幻の一品。
「サーモンのテリーヌ」・・・分厚くねっとりしたサーモン。冷やした白と合わせて最高。
「ニース風サラダ」・・・ついに野菜も登場。旨い。
「自家製ソーセージ」・・・目の前で材料の仕込みと腸詰め作業をしていた。どんだけ長いねん、みたいな感じで次々とぶら下げられていくのを見れば、頼まずにはいられない。長大なソーセージの中には、ごろごろとした大きさのいろいろな部位が入っている。こんなの見たことない。赤のアテに最高。
「トリッパ」・・・トマトで煮たトリッパの上にのっかった葉っぱが「香菜(チャンツァイ)」というサプライズ。フレンチ・コロニアル風と言ったらいいのか、これが絶妙なのだ。
「ナスのカポナータ」・・・「カポナータ=ラタトゥイユ」と思い込んでいたので、「ドロドロしたもの」の入った一人用フライパンが出てきたときには、何かの間違いかと思った。「シチリアではナスしか使わないんですよ」と言われたって、麻婆茄子か何かにしか見えなかった。一口食べたときの衝撃と感動は、ここ最近で最高レベル。

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コメント

おはようございます、先ずは「行かなきゃリスト」に追記しておきました。w

投稿: Ando | 2010/07/05 09:25

Andoさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
是非是非。私は思いっきりツボにはまりました。

投稿: nn | 2010/07/05 13:57

久しぶりの記事を楽しく読みました^^。まんまフランスを感じてほしいからとボリュームたっぷりなB2Cで、一人でも食べやすい量でと室蘭焼き鳥かんぱーにゅを開くと話していた五十嵐シェフの言葉を思い出しました。
こんど、パテ食い、一緒してください^v^

投稿: まっちゃん。 | 2010/07/12 18:15

まっちゃんさん
行きましょう、行きましょう。(◎´∀`)ノ
さぐら、めっちゃ旨そうです。

投稿: nn | 2010/07/12 21:35

ここって室蘭焼き鳥は、もう出していませんよね。
その事も書いてくれなきゃ
光さんのビストロ料理は潔くて良いです

投稿: | 2011/09/02 14:54

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